フラメンコの見どころ
日本で『フラメンコ』と聞くと、『薔薇をくわえて手をパンッ!パンッ!ってやるの?』というイメージ を持つ人は少なくないと思います。日本において、まだまだ多く認知されているとは言えないフラ メンコですが、フラメンコの唄(スペイン語でカンテ)、楽器から奏でられるメロディ、感情的で躍動 感ある踊り(スペイン語でバイレ)は、なぜか日本人の琴線に触れます。まだまだ日本では短い 歴史かもしれませんが、多くのプロや愛好家が存在します。
フラメンコはスペインアンダルシア地方で生まれたものですが、インドを起源として西に流れてき たロマ族(ジプシー=スペイン語でヒターノ)の移動生活の中で、アラブ系や在来のアンダルシア 系のさまざまな音楽や民族芸能と融合しあって形成されていったものと言われています。フラメン コで特に特徴的なのはやはりリズムでしょう。フラメンコでは『コンパス』と呼び、その特有のリズ ムやアンダルシア各地で様々に存在するノリの中で唄い手は唄い、踊り手は足や身体全体を パーカッションのようにして踊ります。
今回の第一回足技合同大発表会では、その名のごとく『足技』ですから、ここでは、フラメンコを 構成する中でも一際目立つ足技を行っている踊り手の靴を紹介してみます。左手の写真が男性 用のフラメンコシューズです。踵(スペイン語でタコン)の部分は、男性でも5,6cmくらいの高さが あものが主流ですが、タコンが低い靴を好んで履くダンサーも中にはいます。外側やソール部分 は革でできており、職人がしっかりと丁寧に作ることで、足技(スペイン語でサパテアード)の衝撃 にもしっかり耐える事ができます。日本でもフラメンコシューズを取り扱っているお店があるので、 既製品を買うこともできますし、靴のモデルチョイス、サイズオーダーや皮の素材や色などもカス タムできるので、自分好みの一足を作ることもできます。
そして、靴の裏側はつま先部分と踵部分に、実は、びっしりと釘が打ってあるのです。これも機 械では無理な作業でしょうから、金槌で一本ずつ職人が打っていることでしょう。釘の部分で音を 鳴らせばわりと高い音が出ますし、右手写真の白いソール部分で鳴らせば『ドスン!』という低い 音を出すこともできます。(この打ち方はスペイン語でプランタと言います。)ひと口にフラメンコと 言っても、さまざまな楽器があったり、カンテと呼ばれる唄、そして、今回紹介しましたこの靴を匠 に使って踊り手はリズムを奏でます。
第一回足技合同大発表会では、唄い手、ギター、ヴァイオリン、カホンなどのパーカッションと一 緒に生み出す魅力溢れるフラメンコ音楽、そしてエネルギッシュな踊りをご来場頂く皆様にお届けします。